グスコーブドリの伝記

宮沢賢治の作品は、20年近く前に主だった作品を読み、強烈なパンチを喰らったほどのショックを受けました。代表作「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」などの作品も良いのですが、とくにこの「グスコーブドリの伝記」という作品には、激しく打ちのめされた覚えがあります。なんて想像力に富んで面白く、そしてそのメッセージが深いのだろうと...。そんな彼の作品ですが、これらの作品をヴィジュアル化するのはとても困難な事であると思います。なぜなら彼の作品は、あまりにもその独創的な表現により、活字を追って頭の中で想像を巡らせ読む事が最適であるからだと思います。そう、逆を言えば安易に彼の作品をヴィジュアル化してはいけない。しかし数少ない例外が、ますむらひろし氏でありましょう。猫と人が共存する代表作「アタゴオル物語」を描いてきたその作品に、賢治に対する想いが見てとれます。そんな彼が20年程前に宮沢賢治の作品をいくつか漫画化しており、その中の「グスコーブドリの伝記」を収録した文庫本であります。ふと新宿の本屋さんで見つけ、購入し読んでみました。うーん、これは永遠の名作です。もう何も言いません。宮沢賢治の作品が好きな方、そして猫好きのあなた、読むしかありません。扶桑社文庫。550円。
ラベル: BOOK
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