エッシャーに魅せられた男たち

スーパーエッシャー展を見てきた影響で、こんな本を読みました。タイトルは“エッシャーに魅せられた男たち”。10年前に出版された“エッシャーが僕らの夢だった”の文庫版であります。本の冒頭にもある通り、この本はエッシャーの人生を追ったものや解説書ではなく、バブル期に突入する前に、エッシャーの版画に出会い、人生を左右された男達の物語であります。いや、これが滅法面白かったです。ある者は、少年マガジンの表紙にエッシャーの作品を使い、ある者はエッシャー展を日本で開く為に世界中をかけずり回り翻弄され、ある者は7億円の借金をしょい込んでエッシャーの版画を買い込み、またそれを人々に見せようと動き出し、またある者は、こうしてこのような本を書くに至る...、等々のエピソードが満載であります。とくに、ひとつの美術展を開く為に、その裏で働く膨大で必要な行動力には驚かされます。その辺のドキュメントも、非常に興味深かく面白かったです。エッシャーに限らず、この本を読んでから美術展などを見に行くとまた、美術展全体が違って見えてくるでしょう。そんな一冊です。光文社。619円。
ラベル: BOOK
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