2006/11/19

木村伊兵衛のパリ


レンゾ・ピアノ設計による銀座エルメスには、前々から一度覗いてみたいと思っていたのですが、僕はエルメスで買い物するような事はない為、いつも外から眺めているだけでした。ブロックガラスで包まれたその建物は、見た目がとても美しいですが、それとは裏腹に最新の耐震設計構造になっているそうです。そんな銀座エルメスで、写真家の木村伊兵衛が、1954年から1955年にかけてフランスのパリを訪れた際に撮られた写真を展示しているというので、見て参りました。



この頃はまだまだカラーフィルムが貴重だったらしく、そのフィルムのテストを託されて、木村はパリに渡ったそうです。日本人が海外へ渡る事もまだ珍しい時代。木村伊兵衛お得意のスナップショットで、パリの街角でうごめく、普通の人々の平穏な暮らしぶりを見事に写し込んでおります。どの写真を見ても、木村伊兵衛のやさしい人柄が滲み出ていると思いました。うーん、凄いっ。今回の写真の展示の仕方もユニークで、コンスタンティン・グルチッチという方が手がけたそうです。白いフレームに写真が収められ、ガラスのテーブルに並べられていました。エルメスのセンスが光ります。しかもこの展示、入場無料ですよ。もうこれは行くしかありません。2007年1月21日まで。

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