2007/05/03

ナルミさん愛してる


山川直人氏の“コーヒーもう一杯”と同時発売で出たのが、ファン待望の“ナルミさん愛してる”です。今回はこの本をご紹介しましょう。
以前少年画報社より単行本が出ていたようなのですが、全く売れなかったようで、ながらく絶版状態だったそうです。僕自身も、コーヒーもう一杯を知って以来、著者の他の作品を読みたいと思い、この作品を探したのですが見つからずじまいでした。まあ、著者の作品は今時の売れ線を狙った媚びた作品ではなく、作家性の強いモノなので、売れないのでありましょうか...。いや違う。作品は面白い。僕のように、目にする機会が少ない為でしょう。正に著者は、見過ごされてきた作家なのだ。本とは出会いだなといつも思いますが、山川直人作品も出会いだったのだ。
“ナルミさん愛してる”は、著者の主人公ナルミさんに対する愛で溢れた作品です。どこにでもいそうな(でもめったにいない)優しい一人暮らしの平凡な女の子。同居するぬいぐるみのドミノが見たナルミさんの生活を描いています。ナルミさんは、男性が女性に対して抱く理想像ですね。著者の描く女性キャラクターは、あまりにも愛おしい。うーん、まさにナルミさん愛してるです。ぜひとも一度読んでみて欲しい。ラストはせつない。そんな一冊です。

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