2007/05/13

BOX ART展



このGWの間に、静岡県立美術館にて行われている“プラモデルパッケージ原画と戦後の日本文化 ボックスアート”展を見てまいりました。
静岡に訪れるのは、3年程前にペア・クラーセンさんの講演会をいって以来です。そのときは、ちょうど静岡ホビーショーも開催されていたので、聖地・田宮模型本社と共に訪れました。そう、静岡はプラモデルメーカーが集まっている地なのです。



そのプラモデルキットの「顔」となるのがボックスアートです。子供の頃、プラモデルを買うにあたってこのボックスアートが強力な刺激剤となっていたのは、たいていの男の子ならば覚えがあるでしょう。箱絵を見て、想像力を喚起され、この絵のように少しでもうまく完成させてやろうとはりきるものの、現実はテクニックのなさに到底及びませんでしたが、あとはありあまる想像力で補って、下手なりにも完成させた出来上がりを見て空想にふけるのでした。そう、ボックスアートとは、たんなる商品の装飾を超え、作る過程で完成形を想起する資料として、あるいは空想の世界を生み出す素材として、独自の発展を遂げていったのです。



今回の展示では、戦時下の視覚文化が戦後どのように継承されていったのかを、ボックスアートというメディアをとおして検証する初の試みなのだとか。個人の作家に焦点を当てるのではなく、あくまで大衆文化として、戦後の日本社会を検証しつつ、時系列に作品の原画を見ていくというものです。箱絵としては見なれた、TAMIYAのドイツ88mm砲や、大和の箱絵など、原画のド迫力に驚かされます。そして箱絵のように色あせる事なく、綺麗に保存されておりました。巨匠達の原画は、本当に凄いです。
プラモデルの草創期から現在に至るまで世に送り出された、ボックスアート約160点が展示され、見応え満点です。同時に戦中、戦後の教材模型からソリッドモデル、そしてプラモデルが誕生する過程を各種資料で振り返り、懐かしいプラモデルの数々や、国内を代表するプロモデラーによるジオラマ作品も展示されています。



ここ静岡美術館には、なぜだか彫刻のロダンの展示館がありまして、そちらも見てまいりました。“地獄門”や”考える人”など、数々のロダンの代表作が展示されておりました。コレだけの数があると、ちょっと怖いですね...。なぜに静岡にロダンなのか? 考えさせられました。
BOX ART展は、5/20まで。男子は特に必見。

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