2007/07/02

晴れたらライカ、雨ならデジカメ


昨今のデジカメブームにより、誰もがより手軽に写真が撮れ、楽しめる時代がやって来ました。
ちょっと前までは、写真を撮るという事は、ある種の特殊技術のような扱いで、ファミリーでもやはりそれは父親が行う厳格なる役割だったように思えます。しかし今や、携帯電話にもカメラは付いていて、本当に手軽に写真を撮ることが日常化したように思えます。だがその実もういっぽうでは、様々な課題が持ち上がってきているのも事実なのです。
この本は、そんなフィルムカメラとデジタルカメラのメカニック的な話だけではなく、人々が、その使い方とカメラに対する認識が変化してしまった事を探り、語っている本なのです。思えば、著者・田中長徳氏の言う通り、確かにここ3年でカメラの周辺状況は激変しました。メーカーは、次々とフィルムカメラの生産をやめ、いくつかのメーカーはカメラ業界から撤退を余儀なくされました。僕も、仕事の上では、半分フィルム、半分デジカメでしたが、今や100%デジタルです。どちらか良いとかという事ではなく、どちらの長所、短所もふまえ、両立させたカメラの使い方をこの本では、提唱されております。
カメラに限らず、デジタル技術の浸透で、我々の生活も大きく変化しています。人の意識だけが、そのことについていくのにやっとという感じ...。この先、我々はどのような方向に向かうのか、世の中の混沌とした状況は、まだまだ続きます。少なくとも、カメラに関する古き良き時代は終わったようです。
岩波書店。1,700円。

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