生命の光

この頃は仕事で毎日帰りが遅くなるため、深夜バスを利用して帰ることがあります。仕事でヘトヘトになって、食事もとっていないので、身も心もボロボロな状態でバス停でバスを待っていると、目の前のガードレールに何かぶら下がっている...。よく見るとA5サイズぐらいの小冊子が一冊一冊ビニール袋に入ってぶら下がっているのです。何だコレは...と思いながらブチリとちぎり手に取って見ると、今回ご紹介するこのフリーペーパーでありました。“生命の光”と題したこの小冊子、ご覧の通り、キリスト教の布教を促す信仰誌であります。表紙の小鳥の写真も強烈です。詳しい内容は説明を省きますが、創刊が昭和23年とあります...。昭和23年!?
昨今のフリーペーパーブームには、疑問を感じていました。猫も杓子も、読み手に媚びた広告記事が満載で、エコロジーなんかも謳いながら、一方で高度経済消費型社会をあおるモノばかりが掲載され、矛盾に満ちたフリーペーパーが溢れている中、このような冊子をふと読むと衝撃を受けます。別に僕はキリスト教を信仰しているわけではないし、どちらかというと宗教に関しては無頓着であります。何が衝撃かと言いますと、その掲載されている内容の意図に、全く読み手に媚びたところがなく、その信条に何ら揺るぎがない事を感じるところにであります。継続は力なりと言いますが、昭和23年から60年近くもこれが続いていることを考えると、昨今のフリーペーパーが束縛ペーパーに思えてきます。真のフリー(自由)が、世の中ではいつの間にかフリー(無料)と勘違いされ、対価価値を支払われず、ひたすら広告ばかりが載り作成される冊子がゴマンと増え、ゴミとなり消費されていくのです。むむむ。そして自分の仕事も、その広告に関わっている事を思うと、心中複雑な思いを尚一層抱くのです。深夜バスの中で、疲れも手伝ってか、この冊子を読みながらそんな事を思いました。しかし、バス停の前にぶら下げておくとは、考えたなぁ...。
幕屋発行。0円。
ラベル: BOOK
0 Comments:
コメントを投稿
<< Home