岡本太郎が、いる
岡本太郎の秘書をされていた岡本敏子さんの著書「岡本太郎が、いる」を読みました。岡本太郎に対する愛で満ちあふれた本でした。面白かったです。50年にも渡り、彼女はずっと彼のそばにいて、サポートし続けてきたお人であります。本の冒頭で、岡本太郎が亡くなる(いや新生か)直前のエピソードに始まり、彼女が見てきた太郎のエピソードが、元気で優しさ溢れる文で綴られております。このお二人の関係も、ちょっと他に例を見ないんじゃないでしょうか。平野敏子さんは、仕事をする上でわずらわしさがないようにと太郎が気遣い、さらりと彼女を養女にし、岡本敏子となったそうです。あっけないくらい、ごく自然に。だがこの二人、夫婦でもない、恋人でもない、親子でもない、仕事の関係だけでもない、でもお互いになくてはならない存在であったのでしょう。単なる男女の関係性を超えた“ 超男女関係 ”と言っていいんじゃないでしょうか。
本にも書かれてある通り、太郎は亡くなってからも、様々なところで今も影響を与え続けている。正にタイトル通り“岡本太郎が、いる”のだ。数ある太郎自身の著書本も面白いが、本人ではない視点で岡本太郎を知るならば、この本は凄くいいと思います。前に「岡本太郎 岡本敏子が語る初めての太郎伝記」という本を紹介しましたが(7月22日blog参照)、あれはインタビュー途中で敏子さんが亡くなってしまい、中途半端な出来の印象が歪めなかったが(あと、読みやすかったけどインタビューの文章が好きになれなかった...)、こちらの本はそれより1,000倍は良いので、岡本太郎に興味がある方はぜひ読んでみて下さい。新潮社。1,600円。
ラベル: BOOK
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