2006/12/23

美術手帖


美術手帖の1月号が特集“荒木経惟 解体新書!”だったので、読んでみました。前出した(12月15日blog参照)“天才アラーキー 写真の時間”を読んでいたので、特集自体にそれほど新鮮みは感じませんでした。それでも超絶的なエネルギーを感じさせる、彼の写真という行為を通した活動をコンパクトに知るにはうってつけの一冊です。
ヨーロッパでの荒木氏の評価の変遷や、亡き妻・陽子との関係性、人妻エロスの撮影現場、そして今も続く「日本人ノ顔」。荒木氏の写真を見ていると常に「生と死」を感じさせられます。そしてそこに盛り込まれているエロ・グロ・ナンセンスは、漫画でいう手塚治虫の世界に近い気がします。芸術でいう岡本太郎の世界かな。ギリギリの境界線。そんな写真として目に写ります。
先日ビックカメラのデジタル一眼レフカメラ売り場付近をうろちょろしていましたら、ハッと気がつきました。半分は女性客なのです。若いお姉さんも、化粧の分厚いおばはんも、熱心にカメラを見て店員に積極的に説明を求めているではないですか...。ムッさい親父共が集まる場所から変わりつつある...これは大きな変容です。今、カメラがデジタル化され、誰もが写真に取っ付きやすい状態になりました。コレが良いのか悪いのかはわかりませんが、写真を撮るという行為自体に、己の存在を見いだす方が増えるのは素晴らしい事だと思います。
余談ですが、先日“スーパー・エッシャー展”を見た帰り、東急百貨店のタクシー乗り場の前で、タクシーに乗り込む荒木氏を偶然見かけました。もちろん綺麗なお姉様もご一緒でしたね...。それだけですが。

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