2007/08/09

日本男児


赤瀬川源平氏の新刊“日本男児”を読みました。
モノの見方(視点)をちょっと変えるだけで、今まで見えなかったものが見えてきて、突然世界が広がってくる。目からウロコが落ちるように、頭のウロコも落としてみましょう!...ということで書かれた連載エッセイが一冊となったモノなのですが、例によって氏の独特のユーモアと優しさに包まれた文章ではありましたが、取り上げているテーマは現代人にとっては切実なる問題ばかりでした。
自分も含め、見て見ないふりをして世の中を生きている我々にとって、この本を読んで、時にはその事について向き合って考えなければならないのではなかろうか。読んでいて、そんな風に思いました。子供に対する問題。現代におけるタバコのあり方について。女子高生の短すぎるスカートに、デジタル化における趣味の仕事化等々...。決してお説教本ではなく、氏も一緒に考えています。過激な解決法を遠慮がちに語っているのですが、どの意見も納得するものばかり。自由をはき違えて認識している我々にとっては、どれも考えねばならないことです。
文芸春秋。730円。

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