2007/01/18

東京日和


写真家・荒木経惟の奥様、荒木陽子さんとの共著「東京日和」を読みました。
この本は、陽子さんの最後の連載エッセイが3回分が載っています。最後の文章が陽子さんが再入院の前のモノで、その後の1990年1月27日に陽子さんは亡くなられたそうです。エッセイ自体は、東京を二人が一日歩き回り、荒木氏が写真、陽子さんが文章という振り分けで作られた、素敵なフォトエッセイです。連載が3回分しかないため、残りは陽子さんが亡くなられた後の手書きの荒木氏の日記と写真で構成されています。この荒々しい字で殴り書きされた氏の日記を読み、猫のチロやバルコニーから見た写真等を見ていると、ものすごく切なくなりますね...。
97年には、この本を元に荒木氏役と監督を竹中直人、陽子さん役を中山美穂で映画化されているようです。しかし、竹中直人は好きだけど、ちょっとこの二人では見る気がしないなぁ...。あくまで陽子さんはドキュメントエッセイだし、荒木氏は私情写真主義の人なので、映画にすること自体どうかと思います。まあ映画自体を見ていないので、あくまで偏見ですが...。
この本を読むなら、前回ご紹介した(1月14日blog参照)「愛情生活」を読んでからがよいと思いますよ。筑摩書房。2,762円。

ラベル: