2007/08/16

デメキング 完結版


いましろたかしの作品は、随分以前に千葉ちゃんという主人公が出ている連作を読んでいましたが、その主人公は全く女性からはモテず、古くさくて、やるせな感や情けなさを、ただ刻々と描かれ、ストーリーにおちはなく、随分感動はしたものの、勝手にガロ系の作家の人か? ...と思い、一部のファンからしか受けない、超マイナー漫画家なのか...と勝手に思いこんでおりました。以来十数年...。
この度、いましろ氏の未完の傑作“デメキング”が復刊されたというので、興味本位で読んでみました。確かにこれは大傑作です。面白い。ちなみにタイトルのデメキングとは、怪獣の名前です。
1991年にビジネスジャンプ誌にて連載されるも、14話で打ち切られ、99年には単行本化されるも、いらい絶版状態となり、今回の復刊と相成ったようです。ところが今回の復刊には、2ページラストシーン(99年の単行本化の時も1ページ)が追加されているのですが、はてはてコレは必要なのかと思ってしまいました。この作品に関しては、今までいろいろと言われてきたのでしょう。巻末に作者インタビューが載っており、作者自身は、無理矢理にでもこれで終わらせたかったと推察されます。
ラスト3ページがない状態での未完の作品の方が、良いとは思うのですが、これが作者の意思なら仕方ないのでしょう。読む人は、覚悟して読むべし。
太田出版。1,200円。

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