2006/07/29

愛の渇き


もう一冊三島作品を読もうと本屋さんで決めて読んだのがこれ。「愛の渇き」。冒頭で大阪の中心街、梅田の阪急百貨店から話が始まるのに魅かれ、選びました。大阪は僕自身がかつて住んでいたところで、読んでいてその情景が眼に浮かびやすいのと、自分の知っている土地が小説になっているので、とても読みたくなったのです。それにしてもこれは「仮面の告白」の女性版といったら良いのでしょうか。主人公の悦子は、かつて夫の浮気に悩まされていたが、夫が腸チフスにかかると、執拗なまでの看護と、かつての嫉妬心が絡み合い、夫が苦しみながら死んでいく様を自分の幸福と結びつけ、看取っていく...。夫が死んでからは、夫の父の家に身を寄せるが、愛してもいないのに夫の父と関係を持ち、一方でその家の使用人三郎をひそかに愛するようになる...。三郎は同じ使用人の美代を妊娠させてしまうのだが...。もうかなり陰湿な悦子の妄想と精神的錯乱が、とつとつと描かれていき....そして...。いや女性は怖いなぁ。それに田舎の近所付き合いは、本当にいやだなぁ。三島作品にしては、話が綺麗にまとまりすぎているきらいはありますが、これは一級のエンターテイメント作品だと思います。面白かった。新潮文庫。400円。

ラベル:

2006/07/28

Kula Shaker


突然の復活で驚いたイギリスのロックバンド“Kula Shaker”。明日から開催される富士ロックフェスティバルにも出演するとかで、これまたビックリしてます。大英帝国王道ロックにインドのミステリアスな雰囲気が絡み合い、とても格好良かった“Kula Shaker”です。7年振りの復活とかで、もうそんなにたったのか...とまたビックリです。グループの中心的人物ボーカル・ギターのクリスチャン・ミルズは、Kula Shakerを解散したあとジーヴァスというバンドを組んだのですが、これがいまいちだった...。Kula Shaker時代と比べるのもなんですが、音がものすごく安っぽくなったように聴こえたのです。それ以来クリスチャン・ミルズはすっかり聴かなくなったのですが、ここに来ての突然の復活に加わり、新曲が iTunes Music Storeで発売されていたので早速ダウンロードしてみました。...実はまだ聴いていないのですが、どのような音が聴けるのか...。期待半分、不安半分といったところです。それでは聴いてみることにします...。

ラベル:

2006/07/26

ワイヤレスマイティマウス


マイティマウスのワイヤレス版がアップルより発表されました。マイティマウスになってから、あの小さなボールを人差し指でコロコロと転がすのがすっかりなれきっているので、たまに既存のノーマルなマウスを使うと、コロコロがなくて使いにくく感じます。僕はパワーブックも使っているので、ワイヤレスマウスも早くこうなればいいのにと思っていましたがなかなかなりませんで、やっと登場かという感じです。アップルのマウスは、もうこれ以上ないくらいシンプルなデザインで格好良く、手に馴染みきっているので他のマウスが使えないくらいです。ただ今回のマウスはワイヤレス化してレーザーガイドで動かすようになった以外は、なにも変わっていないので新鮮さはまったく感じないですね...。値段もアップルらしくちと高いなぁ。でもやっぱり欲しいのです。うーん。とりあえずは売り場でモノを良く見てみることとします。8,600円。

2006/07/25

僕の小規模な失敗


さらに勢いに乗って、福満しげゆきの3冊目の単行本「僕の小規模な失敗」を読みました。ダメな主人公(著者本人)が、高校で漫画を描きはじめた頃から現在までを描いた自伝的漫画です。人間的なダメさぶりが赤裸々に描かれていますが、大なり小なりここでの主人公の心情は、誰しもが少なからず感じている事でしょう。そういう意味である意味共感を呼んだり、読み手は自分よりダメな部分を読んでは、自分はまだましだと安心したりするのではないでしょうか。しかし、それは作者の計算であると思います。マイナスパワーのなんたるかをよくわかっていらっしゃる。いつも死にたい死にたいと思いながらも、主人公は意外にしたたかに生きております。スポーツしたり、漫画も書き続けているし、彼女をつくり、結婚までしている。人間誰しも、必死に不安を感じながら細々と生きている。そんな部分をもろに描くこの漫画は、やはり読んでいて笑ってしまいます。悲劇と喜劇は表裏一体なのです。いや面白かった。著者の次作が楽しみです。青林工藝社より発売。1,000円。

ラベル:

2006/07/23

カーズ


ピクサー映画「カーズ」を観ました。ジョン・ラセターひさびさの監督作品で、さすがでした。冒頭のレースのシーンは迫力満点で驚きました。これはスクリーンで観ないと体験出来ない迫力だと思います。あまりのリアルさに、すぐさまこの映画がCGであることを忘れさせてくれます。出てくるキャラクターは全て車(乗り物)達で、乗り物の世界観の描き方がアイデア満載で実に楽しかったです。人(車)に対する思いやりの大切さを訴えるストーリーは、トイ・ストーリーの頃から変わらぬ不変的なテーマなのでしょうか。そして画面の隅々にまで渡る緻密さと圧倒的なクオリティを誇るPIXERのスタッフ陣たちが、この映画を支えています。子供向きの映画に見えますが、明らかにジョン・ラセター監督は我々大人に観て、感じて欲しいと思っているのでしょう。現代社会のスピード化にも警告を鳴らしています。あと、欲を言えば、主人公とポルシェの彼女との恋愛の行く末をもう少し見たかったところでしょうか。とにもかくにも面白かった。おススメです。

ラベル:

2006/07/22

SA06


思えば、本年3月F1開幕バーレーン戦、4年型落ちのマシンでなんとか完走。予想以上の健闘を見せてきた我らが、スーパーアグリフォーミュラー1チームに、やっと新車「SA06」が投入されることになりました。待たせすぎだよぉぉぉ!...とつい叫びたくなります。シルバーストーンサーキットでのテスト走行も無事終わり、まずまずの仕上がりのようです。亜久里代表が言うように、次戦ドイツGPが第二の開幕戦なのです。新車だけにまだまだ未知数な部分が多いため、トラブルに見舞われる可能性が大きいでしょう。でも、やらねばならぬ。いつも前向きでさわやかな琢磨くんもこうコメントしている。「マシンの感触は良かった。戦闘力があると分かっているマシンとともにドイツGPに行くことができるのは、エキサイティングだ」...頼もしいではないですかっ! ドイツGPは、30日に決勝戦が行われる。がんばれ僕らのスーパーアグリフォーミュラー1チーム!!

ラベル:

岡本太郎


「明日の神話」公開に関連してか、いくつかの新しい太郎本が出ていたので、1冊読んでみました。「岡本太郎 岡本敏子が語る初めての太郎伝記」と題されたこの本は、篠藤ゆりさんという方が、岡本敏子さんの長期に渡って行ったインタビューを本にまとめたものでした。ところがご存知のように、岡本敏子さんは昨年4月に亡くなられた為、インタビューは未完となってしまったようです。すでに僕は太郎自身の本を何冊も読んでいるので、とくに新しく知る岡本太郎の事実はありませんでしたが、最後の章の「太陽の塔」と「明日の神話」について語っていたところが、興味深かったです。岡本太郎を全く知らない人が、これから知るのには、読みやすく良い本だと思います。それにしても太郎もさることながら、敏子さんも本当にエネルギッシュな方だったんだなぁ...。

ラベル:

Nikonの予告


Nikonが自社のホームページで、新型一眼デジカメの予告をうっています。現在の時点で、あと18日で発表するとか...。今までこんな予告を打った事等無かったのですが、SONYや松下を意識してか、随分気張っています。まさに一眼デジカメ戦国時代です。もう一台の10.2メガピクセルと出ていますし、シャッターボタンが銀色なので、D-200の廉価版のようなカメラなのだと予想されます。僕は仕事でD-200を使用しているので、サブカメラとして使うのがいいかもしれません。それにしても、この予告...「このカメラがあなたを変える」とまで謳っているではないですか...。なんかNikonが焦っているように感じます...。まあ、松島奈々子をCMキャラクターに起用した頃から、かなり軟弱指向に変わりつつあるNikonでしたが、一眼部門は違っていたのになぁ。質実剛健。これがまさに僕がこのメーカーにもつイメージでした。変に事前予告等出さずに、バーンと発表して、ハイ明日から発売です!...とアップルみたいにやれないですかね。とにかくあまり気負わず、独自の路線でいいカメラを出して欲しいところです。

ラベル:

2006/07/18

カワイコちゃんを2度見る


いきおいにまかせ、福満しげゆき2冊目の単行本「カワイコちゃんを2度見る」も読んでみました。前作と同じく短編の寄せ集めのようですが、初期の作品から現在の作品までまぜこぜに編集してあり、その意図はちょっとわかりにくいですが、違和感なく読めて楽しめました。とくにカバー絵でも使われている「日本のアルバイト」は、誰も気づかない現代の負の雰囲気をうまく作品として消化してあり、とても面白かったです。ゾンビものですが...、出来ればこの話を描き続けて1冊単行本を出してほしいくらいです。作者が描くマイナスパワーは、ダメさを通り越して、もはや笑ってしまいます。これはギャグマンガかもしれません。主人公は相変わらずダメな男ばかり。逆に女性キャラがなかなか良いです。生意気な女の子ばかりだけど、強くてとても魅力的です。色っぽさもありますし。不条理満載の漫画ですけど、お勧めですよ。勇気を出して読んでみましょう。やっぱりダメかもしれないけど...。

ラベル:

2006/07/15

JTB宇宙旅行


先日会社の近くのJTB旅行代理店の前を通りかかったとき、山ほど置いてある旅行パンフレットの中に、異質に写るパンフレットを見つけ、思わず手に取りました。「JTB宇宙旅行」。えっ...。中をパラパラと読んでみますと、なんと...! JTBは真面目に宇宙旅行の斡旋をしているではないですか。これは驚きました。どういったプランがあるかと言いますと、月旅行(早ければ2008年予定)から、軌道飛行に弾道飛行、無重力体験に、超音速ジェット機体験まで揃っています。気になるお値段の方は、言わずもがなですが、一応記しておきますと、月旅行(これは月に着陸するのではなく、月の周りを回って来るプラン)がお一人様約120億円。軌道飛行(宇宙ステーションに1週間滞在)がお一人様約24億円。なんだ意外に安いじゃないか...とは絶対に言えませんが、ふーんそんなものかと思いました。それにしても数あるド派手な旅行案内パンフレットの中で、このパンフだけがクールにたたずんでおり、その雰囲気をしっかり保っているところに好感が持てます。しかし昨日スペースシャトルが無事に戻ってきましたが、僕が子供の頃にさんざん描かれてきた宇宙旅行は、まだまだほど遠いですね...。自然のハードルや、人間同士のいざこざ、政治の壁は本当に高いと思います。まだまだ我々人類は、星の王子さまに会うのは難しいのです。