
その日は1日大雨でした。だがしかし、その日にイタリアンレストランで食事して、岡本太郎美術館へ行く事を決めていた我々は、車に乗り込み向ケ丘遊園方面へ出かけました。ザー。
岡本太郎美術館では現在「青山時代の岡本太郎 1954-1970 現代芸術研究所から太陽の塔まで」展 をやっておりまして、それを見に行く事が目的です。美術館は生田緑地という広大な森のような敷地のど真ん中にあり、車で近くに来たものの、駐車場もどこにあるのかよくわからない始末。雨が降っていた事もあるでしょうが、表示板が足りないような気がしますね。簡単には行けないところが、太郎らしいのではありますが...。駐車場に車を入れてから、徒歩で10〜15分くらいでしょうか。森林の中を、とぼとぼひたすら歩いていくと、岡本太郎美術館に突き当たります。周りからは、カエルの鳴き声がガアガアと響いています。周りの木々から酸素が膨大に吹き出されていて、腹一杯酸素がすえますよ。ゲフッ。


早速美術館に入ってみましょう。中には、1954年から1970年までの彼の劇的な展開を人々との交流を時系列順に展示。太郎が、絵だけの活動ではなく、「現代芸術研究所」を立ち上げていた頃の活動や、日本デザインコミッティの初代委員であったり、彼の設計した建築物など、いろいろな側面を紹介してありました。いつの時代も、熱き活動をしていたのは変わりませんが。

とくに太郎設計のマミ会館という建物が、印象的でした。太郎らしい流起的なデザインなのですが、その空間の取り方や、見た目の力強さや現実面での使い勝手など、実によく考えられていてGOODです。この建物、大森にあるので見に行こうと思ったのですが、残念ながら実際の建物は、老朽化により建て替えられてしまったようです。あと、太郎が実際に絵を描いている姿を映像で流していたのですが、これももの凄く印象的でした。息をのむとはこの事でしょう。その迫力に、圧倒です。横で見ていた中学生の女の子も、食い入るように見てました。その子の親と思われる人は無関心でしたが...。

一通り展示物を見終わったら、TAROカフェで一休みです。でも、このTAROカフェ、ちっともTAROらしくありません。BGMも軽い音楽が流れてるし、いまいちだったなぁ...。僕らの他にカップルが一組いるぐらいで、ガラガラに空いていました。これで経営がやっていけるのかちょっと心配になります。...というより、もっとやる気を出して欲しい。これでいいのか川崎市。

美術館の裏手には、太郎作“母の塔”が建っているので見に行きました。この塔が実際にそばで見ると、とても気持ちが悪い。広大な森の中に、ポッコリ広がった空間。その真ん中に、ドシンと“母の塔”が建っています。写真でお分かりになりますでしょうか。

この異様なスケール感には、ゾクゾクさせられます。足下の中に入ると、なんか巨大な子宮の中にとらわれた感じです。それにしてもでっかいなぁ。手塚治虫の火の鳥に出て来た、ミルクを出す動物の樹を思い出します。うーん、なんじゃこりゃ...という感じ。さすが太郎。凄いです。圧巻。

展示は7月1日まで。
ラベル: リポート