実相寺昭雄監督

伝説的カリスマ監督、ウルトラマン等を演出していた実相寺昭雄監督が、29日に亡くなられました。69歳。胃ガンだったそうです。実相寺監督と言えば、ウルトラマン、ウルトラセブン、怪奇大作戦等、円谷プロの特撮ドラマを他の監督陣とは違うビビットな演出で、我々を楽しませてくれました。物陰ジッソー、逆光ジッソーなど、独特なカメラアングルと画作りで、普通ではない(異常な)演出を子供向けのテレビドラマで展開してみせたのです。

例えば有名なのが、ウルトラセブン第8話“狙われた街”。ウルトラ警備隊の会議シーンではご覧のように逆光で隊員たちを撮り、ほとんど役者の顔を見せない、シュールでクールな演出を展開。宇宙人メトロン星人とモロボシ・ダンとが、川崎の京浜工業地帯の一角にある安アパートの畳部屋で、ちゃぶ台を挟んでの地球侵略についての話し合いのシーンは特に衝撃的で有名です。しかもこれは、小津映画でおなじみのローアングルで撮ってますね。画面の半分以上が机に隠れたり、天井の通気口から撮っていたりと、通常のセオリーを無視した撮り方のオンパレード。セブンの中でも実相寺監督作は特にお勧めです。

昨年は京極夏彦“姑獲鳥の夏”という映画が公開され(僕は見ていないのですが)、意欲的に監督をされていたようで、新作“シルバー假面”も完成したとの事で、まだまだという感じだっただけに本当に残念です。思えば、11月29日はジョージ・ハリスンの命日。同じ日に亡くなられたのか...。どちらのお方からも、僕は多大なる影響を受けたひとりです。ご冥福をお祈りいたします。

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