
竹橋の国立近代美術館で行われてる「柳宗理 生活の中のデザイン」展をふらりと見てきましたのでご紹介しましょう。
家具や椅子、台所用品など、生活に密接したモノを数多くデザインしてきたマエストロ、柳宗理氏。代表作バタフライ・スツールやエレファント・スツールは、一度は目にした事があるかもしれません。おしゃれでカッコいい椅子です。でもこれは見た目のデザイン性が美しいだけではなく、両製品とも生産性のコストを最大限考慮されたデザインとなっているのです。

そして氏のデザインしてきたモノの多くは、やかんや鍋やフライパン、グラスやカラトリーなど、無名性が高いが生活に浸透しているモノに名作が多いようです。一見、何の変哲もない“やかん”。だが使ってみるとわかるその利便性。お湯が早く沸きやすいよう、少し高さを低くしている。自然に力が入るよう考え抜かれた取手等、一見しただけではわからない工夫が随所に盛り込まれています。そしてそれらの主張は極めて薄く、使い手はキズかないほど自然にデザインされているのです。
ガスや水道管によく使われている、バルブのハンドルデザインも氏のモノだったとは、今回はじめて知りました。

展示には、それらの氏がデザインしたモノが、ずらりと並べられていたのですが、全て展示品に手を触れてはいけないと書いてあるではないですか...。せめてスプーンなど、手に取って使うモノだけでも触れるようにしてほしかったです。眺めているだけでは、本当の柳デザインの良さは伝わらないのになぁ...。そこのところがちょっと残念です。まあ、これだけの数のモノをまとめて見れるのは良いと思いますが。

僕が一番好きな柳デザインは、何といっても東名高速道路東京料金所脇にある防音壁です。音を包み込むように大きく曲線を描いたその壁は、あまりに美しくかつ機能的であります。ここを車で通るたびに、チラチラと横向いて見ています。かっこいいなぁ。
興味のある人は、国立近代美術館へ。展示は3月4日まで。

ラベル: 展示